宝塚day クリエーターの視点で観る!

ルールや忖度、暗黙の了解なしに、私見で心のまま書きます。全組観劇東宝組。(➕別箱、大劇場)仕事はクリエイティブ関連。

💜宙組の留依蒔世はバイプレイヤーになんかなりたくはなかったと思う。


97期首席入団の実力者で劇団の最終試験の時に休演。


その後は個性的な役でご活躍した。



宙組が大好きなので、留依蒔世の実力は知っていた。


が、退団発表。



「舞台を支えるバイプレイヤー」は
本人は嫌だったのでしょうね。


前に音クリさんが退団の発表の時にも演出家の話を書いたけど


(音クリさんだって個性派バイプレイヤーになんてなりたくなかったはず。
娘トップになりたかっただろう)


留依もバイプレイヤーになんかなりたくはなかったと思う。



宝塚の枠に収まらず、色も違うので


路線じゃなかったのを受容しただけ。



なので、この今に退団するのは英断だと思います。




観劇者にとっては

スターがいて、その他バランスよく配役されていて、


中堅もいて、バイプレイヤーもいて


「あーよかった」で


満足して帰るというのが理想かもしれないけど


本人達は脇役芸達者になんてなるつもりで


宝塚に入ったのではないと思う。




「ルイのバイプレイヤーが良かったのに!」と言うのは


見る側のエゴというもの。(まあ、観劇者はそれはそれでいいとは思うが)



中堅になってくると路線ではないことや


役をもらえる厳しさや


周りの実力者のすごさにひるんだりして葛藤する。


下級生の活躍に怯えたり、苦しんだりもして


嫉妬したり、心にいろんな思いが湧き上がってくる。




そして「脇役芸達者のポジションの中堅どころ」に



ずっといるのは嫌だと思って

次の人生のステージに行くのだ。



次の人生ステージは歌唱やダンスが上手い人だらけなので


俳優となるのであれば


ここでまた苦しみ、成長する。



でも、ミュージカル役者や女優以外の



ジョブチェンジだってあるのだから

未来は苦しいものだけではない。



それは素晴らしいこと。



私は、仕事でキャスティングもやっているけど


主役は主役、


その他周辺の脇役芸達者や


おじさん、おばさん、老人役や色々必要だから


シビアにキャスティングする。



みんながスターにはなれない。

身の丈に合った役を与えられる
という



厳しい世界なのだ。



きっとジェンヌさんは、等身大の自分でお芝居や歌を歌いたいと願うけれど


等身大の自分で活躍できる場所って


本当に数少ないのだよね。




退団すると、もうエンタメの世界では


いい年齢になっているので


そこからのスタートはかなり厳しい。


ミュージカルも老け役とかさせられて


ヒロインになるのは超大変だから。






なので、そんな自己探索を経て退団を決めた留依は



自分のネクストステージへ行く覚悟を持ったのだから



「今の居場所より



幸せですように」と祈るばかり!