宝塚day クリエーターの視点で観る!

ルールや忖度、暗黙の了解なしに、私見で心のまま書きます。全組観劇東宝組。(➕別箱、大劇場)仕事はクリエイティブ関連。

タイトルが「エリス」だと話は変わったのか。



花組『舞姫』-MAIHIME-の配信を観た!





植田景子先生の世界観と
甲斐正人先生の美しい音楽が沁みた!


明治の文豪、森鴎外の初期の傑作「舞姫」をもとに、
2007年に花組バウホール公演(愛音羽麗&野々すみ花主演)として
ミュージカル化した『舞姫』。


15年ぶりの再演ですね。



『舞姫』というとあまりにも物語が有名で、


自分らしく行きたいと願っても、諦めなければならない運命がある。
(封建制度の気風も残されていた時代であったので)
虚無絶望での帰国という話である。


あるいは


受動的だった豊太郎が自由、平等という自我に目覚め、
ベルリンで可愛いエリスに恋をして、職を失ったが、
ロシアでは八面六臂の活躍し、
これがプライドや達成感を思い起こさせる。
あっさりエリスを捨てて、地位名誉を求めて帰国(ダメンズ)する話。


簡単に言うと


「祖国か愛か」と苦悩物語、


若気の至り、


などなど、


色々と焦点を当てる場所によって
様々な解釈はありますが、
宝塚で植田景子先生ワールドと
甲斐正人先生によって
ここまで素敵な物語になるとは。


あすかちゃんの品の良さも相まって
ダメな男、酷い男なイメージはない。


儚さも残る後味に。



タイトルが「エリス」とか「踊り子」ではなく、
「舞姫」だからこそ
宝塚に似合うのかな。。



扇子の場面も素敵。



次回15年後に
「エリス」っていうタイトルにして
再再演してほしい気もする。







聖乃あすか(100期・研10)


太田豊太郎役(陸軍所属で法律を学ぶ国費留学生)


あすかちゃんは今回のようなクレバーだけど
苦悩を抱えたエリート青年役がぴったり。


でもでも、昨年の『冬霞の巴里』で
ヴァランタン役が私的には好き。
悪い役で一皮剥けましたよね。


ルックスに注目が行きますが、
悪役がかっこいいです。
低音、滑舌が気になりますが、
これからますます磨かれて行きそうですね。


新公主演3回は、聖乃あすかさん(100期)、
縣千さん(101期)、天飛華音さん(102期)の
3人ですね!
期待大です!


美羽愛(104期・研6)


エリス・ワイゲルト(ベルリンのヴィクトリア座の踊り子)


「殉情」に次いで、連続でバウヒロインに抜擢された愛ちゃん。
無邪気で天真爛漫で17歳のお役もぴったり。
前回の香水ショーでも可愛さはアイドル並みだった記憶が。



帆純まひろ(99期・研11)


相沢謙吉(天方伯爵(一樹千尋)の秘書)


豊太郎(聖乃あすか)の親友役。
まひろちゃんはこういうお役が似合うね!
優しくて芯がある。
帆純まひろ自身のような。




侑輝大弥(102期・研8)


馳芳次郎 (画家・植田景子先生のオリジナルのキャラクター)


「巡礼の年」新人公演が
東京で中止になったことが残念すぎますが
本気の涙の演技には感動したな〜。



研8で、すでに大スターの風格。
大人っぽいのがいい!


ザ・宝塚なスターさんです。


開襟シャツの色気半端ないですね!!


将来は、トップになれそうなオーラと雰囲気がある。


『舞姫』 -MAIHIME-

~森鴎外原作「舞姫」より~

脚本・演出/植田 景子   


日本が近代国家へと歩み始めた明治期。国費留学生として周囲の期待を一身に背負いドイツ留学を果たした太田豊太郎が出会ったのは、清らかで美しい踊り子エリス。彼女と過ごすうちに心のまま生きる喜びを知り、純粋な愛を育む豊太郎だったが、二人の関係は世間の中傷の的となる。日本への郷愁と祖国への使命感を抱え、苦悩する豊太郎。やがて、彼の才能を惜しむ者たちの想いが、二人を悲劇の淵へと追い詰めて行き…。

明治の文豪、森鴎外の初期の傑作「舞姫」をもとに、2007年に花組バウホール公演としてミュージカル化した『舞姫』-MAIHIME-。哀愁に満ちた旋律に乗せ、愛する人と祖国への想いの間で葛藤する主人公の心の内を鮮烈に描き、高い評価を得た作品の待望の再演。